通帳記帳と保管の重要性について
2012年2月4日
預金通帳というものは実によくしゃべる生き物であると思います。
先日、当方はある方の保佐人に選任されました。申立人(このケースは第三者です)は通常、家庭裁判所に提出する財産目録や収支状況報告書を作成する際に、預金通帳からその取引内容を拾って作成するものなのですが、なぜかこのケース、某証券会社からの入金が定期的にあるにも関わらず、その内容について財産目録にも収支状況報告書にも反映させていませんでした。
当然保佐人として就任したからには、これについて証券会社に問い合わせをして就任時の財産目録や年間収支予定表を作成しなければなりません。その結果、その証券会社は当方が保佐人で証券取引についても代理権を付与されているにも関わらず、ご本人である被保佐人に電話して本人確認をするということです。ご本人宅へ訪問するのは大分先の予定だったため、証券会社から電話をしてもらうタイミングを決めるのにも一苦労でした。その結果、家庭裁判所への初回報告がずいぶん遅れてしまうことになり、家庭裁判所へ電話をして初回報告遅延の連絡をし、了承を得ました。
申立人がもう少し通帳をよく観察してくれていたらよかったのになあ・・・と思いました。
また、こんなこともよくあります。
債務整理で必要になったため、過去の通帳の数年分を提出してくださいとお願いし、提出してもらったところ、クレジットカード会社との取引が延々と記載されており、ご本人に聞いてみると、当時何年もキャッシングをしていたというのです。ただ、今は完済していて取引がないから、当方が面談して詳しく質問した時にも思い出せなかったとのことです。
早速、取引履歴の開示請求をしてみると、利率は軒並み20%を超えていて、明らかに過払い状態になっています。
過払い金も立派な財産ですから、当然過払い金返還請求をすることになります。
また、別件で通帳を預かった時にクレジットカードでの取引を発見して過払い金を発掘することもよくあります。ちょっとした埋蔵金ですね。
それから、通帳についてはこんなことも言えます。
自己破産や個人再生の申立をすると、裁判所から通帳の取引について詳しく説明を求められるので、申立のお手伝いをする当方としては、あまり通帳での取引がないことを祈っている!ということです。
また、取引がたくさんあるのに記帳をほとんどしていないと、久しぶりに記帳したとき、「おまとめ」状態で履歴が省略されてしまうため、別途履歴の開示請求をしなければいけません。誠に不便です!
税務調査では、通帳をみて突っ込みどころ満載なら税務署員は大喜びのはずです。
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