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実務雑感vol.50~遺言

2024年7月31日

◎生前贈与、それとも遺言?

財産をお子さんへ移す際
生前贈与と遺言のどちらを選ぶべきか
ご相談をいただく際にいつも気を使う点です。

生前贈与のメリットとして
親御さんが生きている間に財産を移転するため
お子さんが早期に財産を利用できる点が挙げられます。
これにより、お子さんの教育資金や
住宅購入資金としての活用が期待できますし
親御さんの財産を減らすことで、相続税対策にもなっていきます。

一方、デメリットとしては
親御さんが財産を減らしすぎたために
将来的に財産が必要となった場合に
対応できないリスクがあることです。
また、贈与税の課税対象となるため
計画性を持たずに高額な財産を一度に贈与してしまうと
多額の贈与税が発生する可能性があります。
税制も毎年変わりますから
その贈与が長いスパンでどのような意味を持ってくるか
しっかり理解しておかねばなりません。

これに対して、遺言による財産移転は
生前に財産を手放す心配がないため
安心して生活ができます。
特に遺言書が公正証書として作成されていれば
その信頼性と法的効力が高まり、手続きもスムーズです。

一方で遺言のデメリットは
遺言執行に時間がかかる場合があることと
遺留分に配慮する必要がある点です。
遺留分侵害額請求という相続人からの異議申し立てを
受ける可能性があるからです。

生前贈与か遺言か、ハイブリッドな活用も可能ですから
ご家庭の事情に合わせて提案していくのが
私たち専門家の役割なのです。

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