実務雑感vol.22~成年後見
2022年3月1日
後見人はなぜ必要か?
成年後見制度では
ご本人の財産を家族のために使えないため
(扶養の義務等の例外はあり)、
この制度に対する
ネガティブな意見が 散見されます。
だからと言って
ご本人に後見人をつけないでいると、
本人確認を求められないような取引の場合、
財産の移動がご本人でなくてもできてしまうため、
家族が勝手にご本人の財産を
家族に移してしまうことがあります。
このような事態は財産上の虐待とも言えます。
そしてその結果、将来、争続になるのです。
認知症気味だった親の財産を、
同居の家族にかなりの部分持っていかれて
侵害されてしまった、
相続が始まってそれが発覚してあとの祭りだ、
というケースです。
こんなことなら親に専門家でもいいので
後見人をつけておけばよかった、
家庭裁判所にチェックして貰えばよかった、
と後悔するのです。
成年後見制度は第一義的には
ご本人保護のための制度であることは
揺るぎないですが、
一方で、同居の家族が
身の潔白を晴らすためであったり、
外へ出た家族が安心するための
制度でもあると言えるのです。
#成年後見 #財産上の虐待 #身の潔白
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